皮膚科

皮膚科

皮膚科

皮膚は全身を覆っている人間最大の臓器です。全身どこでも診察しますのでご相談ください。
皮膚だけでなく、毛や爪、口唇や口腔内粘膜、目耳鼻の皮膚粘膜、陰部や肛門周囲まで、気になることをお尋ねください。皮膚は内臓の鏡、皮膚の状態から体内の病気が分かることもあります。皮膚疾患は多種多様で、原因不明のことも多々ありますが、原因検索し得るものはアレルギー検査、病理組織検査、顕微鏡検査などを行います。

診療内容

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の病態も徐々に解明されつつあります。
遺伝子レベルの異常により角層の保湿機能・バリア機能が減弱しており、機能異常の角層から様々なアレルゲンが体内に侵入することによりアレルギー体質となります。喘息・食物アレルギー・アレルギー性鼻炎もこの過程が発症に関与するため、スキンケアが全身性のアレルギー発症予防に非常に重要となります。

保湿剤

痒みがなくても保湿剤を継続的に用いることが寛解維持のポイントです。
軟膏・クリーム・ローションと基剤も様々であり、季節や病状似合わせて選択します。

抗アレルギー剤

痒みのコントロールのみでなく皮膚炎の鎮静化に有効であり、中等度以上のアトピーの場合は継続的服用が推奨されます。

ステロイド外用剤

現在もアトピーのみならず皮膚炎治療の主役です。一時期その副作用が取り上げられたことがありましたが、重要なのは自己判断で使用しないこと。
医師の定期的な指示のもとであれば安心してご使用いただけます。

タクロリムス軟膏

現在はジェネリック医薬品も出ており、さらに使用しやすくなりました。増悪期に使用すると刺激感が生じることがあります。
ステロイド外用剤で炎症を軽減させた後に使用し、寛解状態を維持するのに最適な外用剤です。高い保湿効果があることも最近わかってきています。

ナローバンドUVB

外用剤のみで改善しない、中道度以上のアトピーに非常に有効です。
早期に痒みが改善し、外用剤の程度や頻度を減ずる事ができます。広範囲照射のものと正範囲の部分照射のものがあります。
➤ナローバンドについて詳しくはこちら

 

ニキビ(尋常性ざ瘡)

日本におけるニキビに対する医療は、使用できる薬剤が限られ先進国の中では10年以上遅れていました。
近年ケミカルピーリングやレーザー治療などのニキビへの応用が進み、さらに2008年にアダパレンが使用できるようになり、抗生物質のニキビへの適応が整備され、漢方薬も応用が進んできました。

当院では、

  • 初期ニキビへのスキンケア
  • 炎症性ニキビへの生活指導
  • 漢方薬の応用
  • 保険治療では困難なニキビ痕や頑固な赤みへのレーザー治療
  • 化膿を繰り返すしこりの摘出

など、状況に応じた治療方針をご相談いたします。

ニキビ治療の最大のポイントは専門医療機関(皮膚科)に定期的に通うことです。
治療開始後に自己判断で中断すると良い結果が出ません。
より美容的に改善を目指す場合は、ケミカルピーリングやイオン導入メソポレーションなどを併用します。

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ニキビの治療薬・外用剤・保湿剤の紹介!使用方法から副作用まで

 

水虫(足白癬)治療

水虫は頻度の高い皮膚疾患ですが、自己判断ミスによる経過不良例をよく目にします。
かぶれを生じている市販薬で治療し続けている例、白癬菌の感染がないのに抗真菌剤を使用している例、異汗性湿疹や掌蹠膿疱症を水虫と間違えて治療している例など。

また、本人が治療しても家族に水虫の方がいるとすぐに再感染してしまいます。
水虫は完治しないものとあきらめている方もいます。
正しい診断のもと最も有効性の高い外用剤を選択し、使用法や使用期間など詳しく説明します。

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爪水虫の痛みや症状は?人への感染や遺伝は関係する?

 

花粉皮膚炎

花粉症の時期に出る皮膚炎で、主に顔、ひたい、目の周り、耳の周り、首など露出している部位に出やすい病気です。
カサカサして赤みがやや強い発疹ができるのが特徴です。

ステロイドを中心とした塗り薬、抗アレルギー剤の飲み薬、抗炎症作用のあるタクロリムスの塗り薬などを使用して治療を行います。

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花粉皮膚炎とはどんな病気?原因や予防方法、どういう人がなりやすい?

 

脂漏性皮膚炎

フケのようなものが主に頭や顔、または胸、脇、背中などにあらわれる皮膚炎です。
皮膚は赤みを帯びて、カサカサ、かゆみを伴うこともあります。
皮脂が多いところ(おでこ・眉間・鼻筋・小鼻の周り・耳など)に発症しやすい病気です。
中高年男性の患者様が多い傾向にありますが、乳児や思春期の子供もなりやすいと考えられています。

治療はステロイドを中心とした外用剤で症状を抑えます。
抗真菌剤も使用して治療を行います。

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脂漏性皮膚炎とはどんな病気?原因や治療方法、予防の仕方をご紹介

 

イボの治療(手足・顔面・頸部など)

イボの治療液体窒素による冷凍凝固治療、綿棒を用いる場合とクライオプロという冷凍凝固専用の機器を使用する場合があります(写真)。

手足のイボは難治性の場合が多く、定期的な通院を繰り返す必要があります。間隔があくと再発してさらに難治性となります。
また、レーザーを用いてのイボ焼灼治療も行っていますが保険外診療となります。脂漏性角化症という顔面・頸部・体幹部などの老化性のイボに対するレーザー治療も基本的に保険外治療となります。 詳しくはご相談ください。

こちらの記事も参考にされてください。

イボができる原因や治療方法について。人にうつったり再発する?

 

水イボ摘除

増加傾向のない小型少数のもので、周囲の皮膚に乾燥や肌荒れがないものは経過観察することもありますが、多くは悪化防止のために摘除を行います。
事前に局所麻酔シールの貼付が保険診療で認められるようになっていますので、痛みへの対応として摘除前にこれを貼付します。

 

ウオノメ・タコの処置

角化肥厚部を除去します。カミソリの他、専用器具やレーザーによる処置なども必要に応じて行います。
圧迫により繰り返すものは除圧のため、ポリマージェルパッドによる再発防止の処置を指導します。

原発性腋窩(えきか)多汗症

腋窩多汗症は、ワキの下から過剰な量の汗が出てしまう状態で、特に体温が上昇したり精神的に緊張した状態ではこの症状が顕著となります。腋窩多汗症は腋臭症、いわゆるワキガの原因となります。原発性腋窩多汗症は、ホルモンや神経の異常など、何らかの原因があって汗が出る続発性腋窩多汗症とは異なり、原因となる病気がないのに起こる状態をいいます。 これらは優性遺伝し、親子ともに現れることが多いですが、その頻度は日本人で約10%にすぎません。多くは思春期以降に発症します。臭いや汗が気になり人前に出られない、仕事に集中出来ないなど、日常生活や社会生活に支障をきたすケースもあります。

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腋臭症(わきが)とは?

ダーマスコープ

ダーマスコープ専用のルーペで皮膚病変を拡大して観察します。肉眼での診察では得られない情報を得るための検査です。 皮膚がんを鑑別するのにも活躍します。
痛みもなく、患者さんへ負担なくできる検査として近年その重要性が認識されつつあります。様々な色素性病変やイボ、異物の刺入、爪の変化などの診察にも使用されています。必要なものは画像を電子カルテ内に保存します。

 

皮膚アレルギー検査

イムノキャップ

※20分でわかるアレルギー検査
この検査はスギ花粉・ダニ・ペットのフケなどの吸入する可能性のあるアレルギー原因物質に対する抗体の有無を調べるものです。症状を増悪させている原因を特定し、対策を行うことでアレルギーによる症状を回避もしくは軽減できます。
指先から微量の血液を採取し、20分で結果が出るので結果を聞きに再診する必要がありません。

★以下の8種の項目について調べます。
ハウスダスト系(ヤケヒョウダニ・ゴキブリ・ネコ・イヌ)
花粉系(スギ・カモガヤ・ブタクサ・ヨモギ)

血液検査(即時型アレルギーの検査)

血液中のIgE抗体の有無により、ハウスダスト・ダニ・カビ・花粉・食物などの特定のアレルギーがあるかを調べます。

皮膚テスト(パッチテスト)(遅延型アレルギーの検査)

※上写真
抗原を肌に貼付し24~72時間後に皮膚の反応を見ます。金属アレルギーや化粧負けなどに行います。

 

顕微鏡検査

顕微鏡検査

皮膚科診療の基本的な検査です。水虫・たむしの原因である真菌を同定する、爪や毛に寄生する菌の同定、シラミやダニの同定、口唇ヘルペスや帯状疱疹の診断など様々な皮膚に感染する微生物の観察を行います。

また、皮膚腫瘍や慢性皮膚疾患の診断のために必要に応じて採取した皮膚の小片を病理組織学的に検査し確定診断をつけて正しい治療を行います。

 

処置指導

処置

皮膚疾患の治療もしくは創傷や熱傷の治療において適切な局所処置ができているかは非常に重要です。同じ外用剤を処方してもそれが適切な部位に必要量使用されているかは治療経過に大きく影響します。

水虫は指の股だけ塗布しても治りません。火傷や皮膚潰瘍は傷の被覆方法によって経過が全く異なります。とびひに絆創膏を貼っていたら治りません。適切な処置法の指導と希望される方には処置に必要な物品を提供します。