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2016.10.10

帯状疱疹にワクチンが登場!症状と痛みの原因は?治療は薬?

2016年3月より、日本で開発され子供の水痘予防に用いられてきた乾燥弱毒性水痘ワクチンである「ビゲン」に50歳以上への帯状疱疹予防の効能効果が認可されました。
それにあわせて、ワクチンの詳細と帯状疱疹という疾患について記載したいと思います。

帯状疱疹とはどんな症状がでる疾患?

神経の分布に沿った体の一部の左右どちらかに水疱が多発する赤い発疹を生じる疾患です。
強い痛みを伴うことが多く、手術の後や陣痛よりも強い痛みだと表現されています。
1ヶ月までの急性期痛だけではなく、約2割の方が長期に痛みが持続する帯状疱疹後神経痛(PHN)に移行してしまうことがあります。
※一般的には帯状疱疹が発症後3~6ヶ月以上痛みが持続したものを帯状疱疹後神経痛と呼びます。

帯状疱疹の原因は?

帯状疱疹は子どものころに感染した「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因です。
このウイルスが脊髄後根神経節などに潜伏していて、再活性化することによって引き起こされます。
帯状疱疹は80歳までに3人に1人が発症する可能性がある疾患です。
発症患者の約7割は50歳以上の方です。(80歳以上が10%、50歳~70歳が約60%、40歳以下が約30%)

帯状疱疹は合併症を引き起こすことがあります。

帯状疱疹によって引き起こされる合併症には以下のようなものがあります。
・眼病変(角膜炎・結膜炎・ぶどう膜炎・眼瞼下垂)
・耳部病変(耳鳴り・めまい・難聴・顔面神経麻痺)
・中枢神経(脳炎・脊髄炎・髄膜炎)
・末梢神経(運動麻痺・知覚障害・膀胱直腸障害)

帯状疱疹は周りの人に移る?

帯状疱疹は身体の中に潜伏している水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化することで生じる疾患なので、周りの人に移ることはありません。
しかしながら、過去に水痘にかかったことがない子どもなどには感染し、水痘(みずぼうそう)を発症させてしまう可能性はあります。

ワクチンによって期待できる効果は?

2016年3月に認可されたワクチンによって、どんな効果が期待できるのでしょうか?
・帯状疱疹の発症率が半減する
・発症時の痛みが61%減少する
・帯状疱疹後神経痛の発症率が66%減少する
・発症予防効果は約5年間

ワクチンの副作用は?

副作用としては以下の内容が報告されています。
・注射部位に紅班、そう痒感、熱感、腫脹がでる場合があります。
・全身的に発熱・倦怠感・発疹がでる場合があります。
万が一、副作用があった場合も、通常の対症療法で対応できます。

ワクチンを接種できない人は?

・明らかに発熱している(37.5度以上)
・重い急性疾患にかかっている
・このワクチンの成分にアレルギーがある
・先天性及び後天性免疫不全状態の場合
・妊娠中
・その他、医師が不適当と判断した場合

帯状疱疹から帯状疱疹後神経痛に移行してしまうと長く慢性的な痛みに悩まされてしまうことになりますので、予防のためにワクチン接種をおすすめしています。
気になる方はご相談ください。